高1A組~α組の4クラスが9月~10月にかけて家庭基礎:第3章「高齢社会を生きる」の学習をしています。生徒は、この実習の事前準備として沼津社会福祉協議会からお借りした使用器具の諸注意、体験実習の各コーナーの案内について教師作成の動画を視聴し、シニア体験実習に授業単位で参加しました。
4、5人の6つのグループ編成で
A:白内障や聴力低下の高齢者の方
B:筋力の低下が著しい高齢者の方
C:足が不自由で膝の関節も曲がらない高齢者の方
D:手のむくみ、肘が曲げにくい高齢者の方
の4つの役割に分かれて班内で分担しました。高齢者役、介助役を交代しながら活動をしました。特に階段の昇降はどのような状態の場合はどんな助けが必要なのか、介助役の生徒は悩みましたが、1歩1歩ゆっくり一緒に歩みながら理解を深めることが出来ました。
終了後の生徒の感想は「50分の授業だったけど、ものすごく疲れました!」と率直なものでした。
日頃の生活では同世代との交流が主ですが、今後は公共交通機関やスーパーで出会う高齢者や祖父母、様々な状況下で少しは意識して配慮ある行動が出来たら良いと思います。
この実習直後の授業では、A~Dの役割だけの集団で考察をまとめ上げ、班に戻りABCDの役割全てが合わさって考察をまとめます。更に、各班がさまざまな状況を設定して高齢者の介護の気付きについて1分のロールプレイングを発表します。生徒達がすぐ社会で実践できるようなシニア体験であって欲しいと期待します。
家庭科室の周囲には沢山の高齢者チャレンジコーナーを疑似的に設置し、活動のしにくさを体験しました。
タブレットを使用し、耳栓をした高齢者の聞こえにくさを体験しました。
手のむくみ、肘の曲がりにくい高齢者の方が荷物の上げ下げのしにくさを体験しました。
針に糸を通す動作で、目の見えにくさを体験しました。
沼津市の高齢者施設「ウェルビーイング」の落合さんから沢山のアドバイスをいただき、ケアプランを立てる学習をしました(授業で落合さんの動画を視聴)。
3、4人のグループで課題として配付されている高齢者の方のケアプランを立てています。
次回の授業では各グループが立てたプランの発表です。
<生徒のシニア体験実習後の考察より>
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何でもかんでも介助するとストレスを感じさせてしまうこともあると思うので、高齢者の認知や身体機能をしっかり理解して、できる範囲のことは自分でできるように、援助しすぎないことが大切です。それによって筋力の保持や自尊心を維持出来るようにしたい。
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いつもは何の不自由もなく生活していますが、シニア体験を通して、視界が狭かったり、ぼやけたりすることが想像以上に暮らしにくいのだと実感しました。特に、階段を上るときは、足下ばかりに目がいき、前に人が来るとぶつかってしまいそうでした。なので、事故を起こさないためにも、高齢者の前を人が通るのを見かけた時には、「前に人が来ますよ」と声を掛けようと思いました。逆に、足下を見ることができなくて、近くに段差がある時には、転倒してしまう恐れもあるなと感じました。そこで、高齢者が歩いているところの近くに段差がある時には、「(方向)に段差があるので気を付けてください」と声を掛けようと思いました。方向を言わないと、高齢者はどこに段差があるかが分からなくなって危険なので、段差がある方向も言うことが大切だと思います。