2022年3月11日金曜日

令和3年度暁秀中学校卒業式 卒業生代表挨拶

 冬の厳しい寒さもようやく終わりを告げ、陽の光も明るく、やわらかくなり、学び舎から望む富士山は厚い純白のマントを脱ぎ棄て、衣替えの準備を始めています。

本日は、コロナ禍が収束を見ない中、またお忙しいにもかかわらず、先生方、保護者の皆様にご出席いただき、お祝いと励ましのお言葉を賜りましたこと、卒業生を代表いたしまして心より感謝申し上げます。 

思い起こせば3年前、初夏のように暑い日に、私達はこの暁秀中学に入学しました。私は小学校時代からの友人が多くいたため、不安はありませんでしたが、これから始まる新しい生活や、新しい友達、先生との出会いにワクワクしたことを覚えています。

毎時間、教科ごとに代わる先生方に新鮮な驚きと期待で緊張したものです。

中学生活にもすっかり慣れ、2年生になってすぐ、私たちの学校生活は新型コロナウイルス感染症拡大のため一変しました。

今まで当たり前のように通っていた学校に通えなくなってしまったのです。

暁秀祭や体育祭、バザーの中止。そして部活の大会の中止など、今までの学校生活では考えられないことが次々と起こりました。

私は祖母から聞いていたことを思い出しました。

「人生には三つの坂がある、上り坂、下り坂、そして”まさか“という坂が。人間は上り坂にある時は有頂天になるだけで案外学ばないもの。下り坂とまさかの坂に差し掛かった時こそ学べる、不幸や不運は良き先生なのよ。」

コロナ禍はまさにその 「まさか」 でした。

このまさかを経験することで、私は毎日学校に通い、先生から直接指導を受け、友人と共に勉強し、語り合えるという当たり前の事が出来る日常がなんと素晴らしく、かけがえのないものか、そしてそれがどれほど幸運に恵まれたものだったかと分かりました。

3年生になっても新型コロナウイルスの影響は続き、暁秀祭や体育祭などの開催が危ぶまれましたが、規模は縮小されたものの開催され、私たちの大切な思い出となりました。

特に楽しい思い出は、一年待った修学旅行です。訪れた広島での語り部の方から伺った被爆体験講話は、8月15日に生を受けた私にとって、平和を願う気持ちを新たにさせてくれました。何といっても楽しかったのはユニバーサルスタジオです。私服で広い会場を回りながら、楽しい買い物で友達とおそろいのカチューシャを買い、食事の時間を忘れるほどアトラクションを楽しみました。夜はホテルで寝る時間も惜しんでふざけあい、語らいました。中学時代の最大の楽しい思い出となりました。

私が中学生活において頑張ったことの一つに部活動があります。バトミントン部で部長を務めました。私は最後の大会で予選を勝ち抜くことが出来ず、県大会に進むことが出来ませんでした。部長として部員を引っ張っていく立場にありながらそれを果たせず、ふがいない思いが溢れました。しかし、出場することだけが部長の役割ではない、最後まで皆を引っ張り、サポートすることこそ部長の務めと心に決め、大会を終えることが出来ました。

試合に負けた経験は私の心を一回り成長させてくれたと感じています。

中学の勉強は思っていた以上に大変でした。特に3年生になると定期テスト、実力テスト、模擬テストと息つく暇もないほどのテストの嵐。しかし、友人達と互いに教え、教わりながら高め合うことで難しい課題にも取り組みました。

正直、つらく投げ出したくなる時もありました。でも隣で頑張っている友の姿を見て自分も頑張らなくてはと勇気づけられました。

多くの友人達とは、高校でも共に学ぶ事が出来ます。これからも互いを高め合いながら頑張っていきたいと思います。学習の中で、好きと思える教科が見つかったことも3年間の成果の一つです。高校ではそれを更に確かなものにして行きます。

私達がこの3年間頑張ってこられたのは、ひとえに先生方のおかげです。

どんな絵でも、良い点を見つけ、ほめて下さった優しさ溢れる先生。

虫メガネ片手にどこに書いてあるか探しても発見できない問題で私たちを悔しがらせた先生。でも、お陰で学ぶ楽しさを知りました。

生徒一人ひとりの長所、短所を見極め実に厳しくも、的確なアドバイスを下さった先生。

生徒全員を厳しくも温かく包み込んでくださった、まるでお母さんのような先生。

教え方が実に理にかない、思わずそうかっ!納得!とうなづかされた先生。

挨拶をはじめ生活態度への厳しいご指導で社会の常識を身につけさせて下さった先生。

決して押し付けではなく自分の力で勉強する楽しさを教えて下さった先生。私はこの教科では誰にも負けたくないと思うようになりました。

同じ目線で生徒と向き合い、教えて下さった先生は、昨年お父さんになられましたね。赤ちゃんの15年後は今の私達ですからね、覚悟しておいて下さいね。

そして、今日まで夢に向かって頑張ってこれたのは、全力で応援してくださった家族のおかげです。本当にありがとうございました。

私達は、今日、暁秀中学を卒業します。

明日からの私達には下り坂、まさかもあるでしょう。そんな時も友とあゆみ、先生方にお教え頂いたことを糧として、乗り越え進んでいくことをお誓いし、卒業生代表の挨拶とさせていただきます。

   令和四年三月十日               卒業生代表  大畑文乃








 

 

 


令和3年度暁秀高等学校卒業式 卒業生代表挨拶

 厳しかった冬の寒さも和らぎ、春の陽気に包まれる今日、私たち卒業生一五四名は、加藤学園暁秀高等学校を卒業します。本日は私たちのためにこのような式典を挙行していただき誠にありがとうございます。卒業生一同、心より御礼申し上げます。

 今、私たちが歩んできた三年間を振り返るとさまざまな光景が思い出されます。

 期待や不安を胸にはじまった高校生活。

 新しく出会う仲間や先生、密度の濃い授業などに私たちは緊張しながらも毎日ワクワクしていました。また新入生として授業や部活動、暁秀祭などを経験し、これからの高校生活により大きな期待を膨らませていたのも懐かしい思い出です。

しかし私たちの思い描いていた夢の高校生活は2年前、高校一年生の冬にいとも簡単に姿を消してしまいました。

 世界を脅かす感染症の影響で学校に登校することができなくなり、多くの活動が制限され、事前学習を進めていた沖縄への修学旅行までも中止となり、高校生活を彩る色が次第になくなっていきました。

 色づくことのない生活はまるで一分が一時間のように感じられ、辛く苦しい時間でした。

しかし、オンラインに活動の場を移し、絵本の読み聞かせ動画の配信やオンライン模擬国連など、同じ志を持つ新たな仲間と活動することで、協調性や豊かな想像力を養うこともできました。

 そして、三年の春、暁秀祭を開催に導こうと尽力する先生、制限のある中でも精一杯の活動をしていた実行委委員や応援団の姿を見て、どんな状況であっても諦めないこと、希望を持つことの大切さに気付かされました。オンライン開催など多くの「初めて」とともに行われた暁秀祭は、コロナと共存していく時代の新しい活動の在り方として、今後も活かされていくことでしょう。

 またこの三年間は何気ない日々の中にある大切なものに気付かされる時間でもありました。

 毎日のように顔を合わせていたクラスメイト。どんな時でも精一杯努力する仲間の姿が私たち一人一人の活力となり、支えになっていました。共に卒業できる喜びを覚える一方、寂しさを感じずにはいられません。

 そして時には優しく、また時には厳しく指導をしてくださった先生方。悩んでいる時には、側に居てくれる先生だからこそ言えるアドバイスに何度も救われました。本当に感謝しています。

 また何より、家に帰ると毎日暖かい笑顔で私を迎えてくれた家族。常に私の一番の理解者でいてくれて、将来への道を応援してくれて、たくさんの愛を注いでくれてありがとう。


 卒業という節目を迎える今日、多くの支えを受けた私たちは、自分の力で未来を歩み始めます。親元を離れ、社会の一員となり、やがては自分たちが人を支える立場になります。

これからの社会を築いていくには、コロナや世界情勢、環境問題など多くの困難と向き合い、その解決に寄与していかなければなりません。そのためには常に学習と変化が求められていくでしょう。

 かつてのノーベル平和賞受賞者・コフィー・アナンもこう述べました。

“Knowledge is power. Information is liberating. Education is the premise of progress, in every society.”

 彼の言葉の通り、これから進む道は違えども、私たちは熱意や学ぶ喜びを生涯持ち続ける人となり、より良い社会のために精進することをここにお約束いたします。今日という日は新たな学びへの始まりである。そんな決意を胸に私たちは、この校舎から大きな一歩を踏み出します。

 最後になりましたが、母校のさらなる発展と、先生方、学校関係者の皆様のご健勝を祈念し、卒業生の挨拶といたします。


令和四年三月十日    卒業生代表 森美結






♪中学校・高等学校合唱部 訪問演奏♪

  3/21(木)に同じ地域の光長寺幼稚園さんに部員 16 名で伺い、「音楽を通して、地元の幼稚園児と世代を超えた交流」を行ってきました。同じ地域でも少し距離はありましたが、学校と幼稚園をみんなで往復徒歩で訪問をし、自分達で機材のセッティングを行い、園児 160 名の前で歌ったり...