税の作文で優秀作となった浅井さんの作文を掲載します。
少子高齢化と納税の不安
浅井優桜
全日本人が当然のように口にする「近年の日本の人口推移は著しく低下している」という言葉が示すことを私は深く理解していなかった。将来起こりうる問題を知らないまま大人になれば、今後苦労するどころの話では済まなくなってくるように感じたため、詳しく調べてみることにした。そもそも税金とは国民が汗水流して得る収入のうち、国に納める分のお金をさすが、現在の日本でその使い道を把握している大人はどれほどいるだろうか。国民が税金は社会福祉や公共サービスに使用されていると思っていても、実際の感覚としては不透明、不確かに思う人が大多数いるだろう。日本人は税金の使われ方を追跡していないのだ。しかし、消費税の引き上げが起こる際には不満を言う。これは民主主義ではないと私は思う。
まず日本における税負担割合について考える。統計局の人口推計グラフによると、その形は少子化社会を表すいわゆるつぼ型であった。男女共に人口の多い世代は40代後半であり、それに次いで70代前半である。もっとも、これは団塊の世代と呼ばれる第1次ベビーブームで生まれた人々と、その子供である第2次ベビーブームで生まれた人々である。2025年4月から65歳の定年制が全ての企業の義務となる為、第2次ベビーブームで誕生した大人が定年退職の対象年齢になるまであと15年である。私はこれが国民負担が最大を更新するまでのリミットだと考えた。日本の出生数と死亡数が逆転したのは、私が生まれた2005年であり約15年経ったのが今である。つまり今は人工低下が始まり国民負担が膨大なものになるまでの折り返し地点だ。15年後の私を含む生産人口約6700万人が負担する税金は、計り知れない。
一方世界では、そのような国家問題に悩まされることのない国や地域が存在する。例えば、北欧のスウェーデン。スウェーデンは消費税が25%と非常に高いため、そのぶん収入はそれほど多くはない。しかし9割以上の国民が笑顔で答える。「我が国の福祉にとても満足している。医療費や教育費や保険料も税金で賄われている。」と。これで教育も行き届いており、道に貧しい人々がいないので驚いた。もし、国民が国や政府を信頼して安心に暮らせる国スウェーデンを日本が真似することができるなら、苦しい思いをする日本人が減るのではないかと思った。でも日本は、消費税率が低い割には税収に占める消費税の割合が北欧並ということが悲しい現実。北欧並みに消費税を取っているのに、福祉が充実していない。日本が北欧を真似て消費税率を引き上げたら、経済や国民の生活は破綻してしまうことに私は気がついてしまった。
福祉国家を実現するために国民が納めた税金に見合うサービスを提供し、国全体としての満足度を高めてほしい。満足度が上がれば、増税されたとしても未来は明るいだろう。