冬の厳しい寒さも和らぎ、空が春の日差しに満ち溢れてくる季節になりました。
先生方、私たちのためにこの様な素晴らしい卒業式を挙行して頂き、誠にありがとうございます。また保護者の皆様には、この晴れの式にご臨席を賜り、卒業生一同を代表し、厚く御礼申し上げます。
思い起こせば三年前、新型コロナウイルス感染症という未知なる脅威に全世界の人が不安な日々を過ごしていました。そんな中、私たちは暁秀中学校へ入学しました。当日は不安を忘れるくらい、春の日差しが降り注ぐ穏やかな日だったと覚えています。そんな期待を寄せ迎えた入学式でしたが、初めて顔を合わせる先生もクラスメイトもマスクを着用し、顔もよく分からないまま私たちの中学校生活は幕を開けました。翌日からはオンライン授業が続き、暁秀祭は中止となり、部活動も制限されてしまいました。このまま三年間、中学校生活を終えるのかもしれないという先の見えない不安、そして小学校の時に思い描いていたキラキラした中学校生活とのギャップに思い悩んでいました。
そんなコロナとともに始まった私たちの中学校生活でした。しかし、二年生からは制限がありながらも行事や部活動を行うことができました。中学生になって初めての暁秀祭では、クラスのみんなで優勝を目指して一致団結しました。試行錯誤しながら練習を続けたクラス対抗リレーで見事一番を取ることができた体育祭、ダンスやモノマネ動画などをクラスで一から作り上げた文化祭、一年生の頃には体験できなかった素晴らしい思い出が沢山です。
中学三年生になり行事が復活すると、勉強や部活動だけでなく、最高学年として、行事の企画にも携わるようになり、慌ただしい日々でした。中でも、修学旅行では最高の思い出を作ることができました。私たちは修学旅行で広島の原爆ドームを訪れ、被爆された方の体験談も聴かせていただき、貴重な経験となりました。今もなお続いているウクライナ侵攻。私たちにとって戦争が身近に感じられる今だからこそ、平和の尊さを実感することができました。そして最終日の京都研修は班別で、地域の気さくなガイドさんと共に散策しました。バスに乗り遅れそうになったり、予定の時間通りにいかなかったりとハプニングもあった班別研修でしたが、班員と打ち解けて、ガイドさんとも仲良くなることのできたいい思い出です。
私たちの中学校生活は、コロナと共に送った三年間でした。しかし制限されていた中学校生活だったからこそ、私たちの日常がどれだけかけがえのないものであったかを実感することができました。コロナウイルスの脅威にさらされ、大好きな昼食の時間は三年間黙食。マスク越しでの授業。思い通りにならないことが多く、悔しい思いを沢山しました。それでも私たちはめげずに学校生活を送り、無事卒業式を迎えることができました。それは何より、私たちを支えてくださった先生方、お父さん、お母さんのおかげです。
先生方へ。新型コロナウイルスが蔓延し、不安を抱えたまま入学した私たちに、丁寧で分かりやすいオンライン授業を提供していただき、ありがとうございました。そのおかげで、家でたった一人だった私も楽しく勉強することができました。そして三年間私たちを支えていただき、ありがとうございました。私たちは好奇心旺盛で、何かあるとすぐに食らいつき、活気にあふれた学年でした。そんな私たちを受け止めて丁寧にご指導下さったおかげで、毎日の授業が楽しみになりました。高校生になっても私たちの好奇心は止まらないでしょう。これからも私たちは、先生から多くのことを学び、沢山の知識を身につけていこうと思います。
そして、お父さん、お母さんへ。時の流れは早く、あっという間に卒業です。まず、毎日愛情のこもったお弁当を作ってくれてありがとう。部活の時は休日にも関わらず、朝早くからお弁当を作ってくれました。毎日、お昼においしいお弁当を食べるのがとても楽しみでした。そして夜は私の相談にのってくれてありがとう。テスト前に自信をなくしてしまった時は、話を聞いてもらうだけで心が軽くなり、いつも励まされました。また、学校であった面白い出来事や友達の話をお母さんにするのはとても楽しかったです。毎日の送り迎えや身の回りのこと、お父さん、お母さんがいなければ私の学校生活は成り立たなかったでしょう。本当にありがとうございました。
そして私たち八十三名は今日、暁秀中学校を卒業します。最後になりましたが、学校生活を支えて下さった全ての方に、改めて感謝申し上げます。
三年後、それぞれの夢が実現できるよう、高校生活に邁進していくことを誓い、卒業生代表の挨拶とさせていただきます。
令和五年 三月十日 卒業生代表 鈴木玲菜