今年度の探究学習4回目、5回目の授業(5/22㈭、5/23㈮)を報告します。ここまでの授業では、岡宮居住の高校生、先生方にインタビューをしたり、授業にお越しいただいてお話をしていただきました。魅力や今後の課題、など色々な情報をお話していただきました。
生徒のアンケートには、下記のような意見がありました。
地域の人を災害から守れるようにしっかり考えていきたい。
災害があったときにどうやって逃げるかなどの確認の活動や具体的な活動を知りたい。
今回はこれをもとに活動内容を考え、実践しました。
先日、筆者は沼津市災害ボランティア講座を受講させていただきました。災害時の避難への備え、実際に原地区のボランティアの方にお話をお伺いし、高齢者の方々への支援が特に重要だと学びました。物理的な支援も必要ですが、情緒的な面のサポートがかなり重要であると学びました。被災した方への心の通い合うやり取りが支援、救助の際に最も大切なのです。
5/22㈭には翌日活動する高齢者体験グッズの使用するもの、着用時の注意点、車いすの活動、ルート説明を生徒は聞きました。また、高齢者になる生徒と介助する生徒との間には必ず会話をするように指示しました。「ご一緒してよろしいでしょうか?」「足を動かしてもよろしいでしょうか?」「右に曲がります」など。心を込めた介助は会話からです。
5/23㈮天候に恵まれ、全て予定の場所で体験実習が出来ました。
生徒は車いすを何かのアトラクションのような遊びで終了しないように、「高齢者の方や障害をお持ちの方々が誰も好んで機能の低下になったわけでない!」ことを授業終了時に話しました。違う世代の方や環境の違う方に思いを寄せることは難しいですが、この体験が生徒達に少しでもそのきっかけになってほしいと願います。
この2日間の学習に対して、市役所長寿福祉課の小島さん、社会福祉協議会の芹澤さん、井上さん、小規模多機能ホームふれあい岡宮施設長の森さん、(株)ウェルケアアシストの勝又さん、に改めて感謝を申し上げます。有難うございました。
<小規模多機能ホームふれあい岡宮施設長:森 一也さんより>
防災は個人、家庭、地域、国など様々なレベルで行われ、災害に備えるだけでなく、災害に遭った後の復旧、復興も重要です。そこで3つの助け合いが大切な観点となります。それが、自助、共助、公助です。中でも「共助」は地域社会で身近な人々と協力して助け合うことです。皆さんのコミュニティサービスとつながると思います。
皆さんの身体能力と違って、高齢者の方はどんどん身体機能が低下していきます。高齢者の実情として、1人の利用者様が3階から1階に降りるのに6分かかります。皆さんの中には10秒で降りる人もいるんですね。私たちはそのような方々のサポートをさせていただいています。岡宮のこの周辺では、広域避難場所が沼津東高校になっています。実際に避難訓練で行ったところ、誰一人利用者さんはいらっしゃいませんでした。避難場所としてどう考えたらよいでしょうか。改善したり色々考えないといけないと思います。皆さんが地図を作成する上で、どこが安全なのか、好奇心を持って調べていただけたら良いなと思います。
<株式会社ウェルケアアシスト:勝又 雄平さんより>
昨日と本日、生徒の皆さんと楽しく車いすの体験学習でアドバイスさせていただきました。私も学ぶことが多く、良い経験をさせていただきました。またご協力出来ることがあればいつでも声をかけて下さい。本日は有難うございました。
<長谷川学年主任より>
このような経験は、なかなかできないと思います。高齢者の方の体験をする、高齢者の方を介助する、車いすに初めて乗った、押したという人が多かったのではないかと思います。貴重な体験だったと思います。皆さん、次の授業に繋げていきましょう。
<本校養護の齊藤先生より>
高齢者の方々への介助は、生徒にとって想像以上に大変であり、車いすの操作一つとっても難しかったはずです。全ての動作の前に丁寧な声かけを行うことが基本であり、介助が1人で無理ならば、周りに助けをお願いすることも必要だと思います。