中学2年生の道徳の授業では、全5回にわたって、「アダプテッド・スポーツ」について理解を深め、共生社会について考えました。
アダプテッドスポーツとは、スポーツのルールや用具を実施する人に合わせて工夫し、年齢・性別・障害の有無や程度などの条件によらず多くの人が楽しめる可能性を持ったスポーツです。パラリンピックの種目でもある「ボッチャ」や、全員が目隠しをつけて鈴の入ったボールを交互に転がし合い、ゴールに入れて点数を競う「ゴールボール」などがそれです。
今回中学2年生では、アダプテッドスポーツを「知る」「やってみる」「新しく開発する」という活動を行いました。
まず始めに、アダプテッドスポーツに関する動画を見て概要を理解したあと、実際に防音イヤーマフを付けてバレーボールをしてみたり、目隠しをしてサッカーのPKをやってみたりしました。
音が聞こえにくい、視覚がふさがれている状態でスポーツをするとどうなるのかを、体感しました。
次に、新しいアダプテッドスポーツを開発する活動です。
クラスを越えたグループで、より多くの人が楽しめるスポーツを考えます。
用具も、学校にあるものを工夫して使用します。
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「座ってビリヤード」
「風船バドミントン」片足でケンケンしながらバドミントンをします
「エイムザコーン」
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最終回では、お互いに開発したアダプテッドスポーツを体験し、開発グループにフィードバックをしました。
「気配斬り!」
生徒たちの振り返りより
❶今回の道徳のテーマは「共生」でした。年齢、性別、宗教や価値観の違い、障害の有無など、さまざまな人々と「持続可能な共生社会」をつくっていくときに大切にしたいこと、すべきことはなんでしょうか?
★障害があるから、宗教的によくないからその人たちを別にするのではなく、みんなができることにあわせることで、その人たちと「共生」し、お互いを理解することが大切だと思いました。
★できるだけ広い心を持つこと。他人を受け入れて、自分を知ってもらうことで共生できると思うし、自分と違う人を知ることで自分についても考え直すこともできるから。
★さまざまなものの考え方を認め合い尊重し合おうという意思を持つことが大事。共通の楽しみをつくる!
★一人ができないからやらない、ではなくて、一人ができないならその人に合わせて工夫して行動するなどの配慮を大切にしていきたい。
★自分がもし〇〇だったらどう思うか、他人の気持ちを考えること。
❷「アダプテッド・スポーツ」の授業を通して、考えたこと、気づいたこと。自分の中で変化したことなどをまとめましょう。
☆結局はみんな平等なんだという点に気づきました。特徴や考え方が違うと全然違うようにも思えてくるけど、例えば今回のスポーツなら楽しみたいのはみんな一緒だろうなと思いました。
☆以前は障害があるから、年寄りだからできなくてのしょうがないと思っていた。しかし、授業を通してどんな人でも楽しめるスポーツを「考える」という考えを持てるようになった。
☆特別扱いで、他人事として考えるのは違うなと感じた。いろいろなことを自分のこととして認識し、考えることが大切だと思う。
☆アダプテッドスポーツを通して、「全員が楽しめる」ことの大切さに気づくことができた。実際に自分たちでイヤーマフをしたり目隠しをして障害者の立場になることで、違った視点を持つことができた。
☆違いはあっても差別しないことが結局一番大切だと言うこと。
☆自分では気づかないようなことも、みんなと考えることによりいろんな意見が合わさって、素晴らしいものができると知った。