3年前の入学式、誰も顔と名前がわからないまま、学校生活が始まりました。最初は友達を作ることができるかなどの不安や焦りがありました。しかし、周りの友達が声をかけてくれたので、すぐにクラスに馴染むことができました。
僕はバスケットボール部に入部しました。そこでは、顧問の先生から、「何事にも感謝の気持ちを忘れてはいけない」ということを教えていただきました。
私たちは、2年生になると「先輩」と呼ばれ、少し大人になった気分を味わっていました。部活動も私たちの代となり、本格的に試合に出場し、より一層先輩としての責任が強くなっていきました。毎日の辛い練習も、チームの仲間たちとともに乗り越え東部では準優勝し、念願の県大会に出場が決まった時は、仲間と共に喜びを分かち合いました。試合の時には毎回、学年の友達やチームメイトの家族も、応援に来て下さいました。何より私の支えとなったのは、バスケ部の仲間8人の存在です。
3年間必死に戦って、作り上げてきた絆は、一生の宝物です。これからは同じチームで戦うことはできないけれど、それぞれの場所で、お互い頑張っていきたいです。
暁秀祭。クラス一丸となって、全力で取り組みました。中でも文化祭が印象に残っています。ダンスの得意な友達が、振り付けから、上手に踊るコツまでを丁寧に教えてくれました。そのおかげで私たちのクラスは優勝することができ、最高の思い出になりました。
修学旅行はシンガポールへ行きました。学校で事前学習を入念にしましたが、現地では調べたこととは違う魅力をたくさん実感することができました。湿度や温度の高さに、初めは戸惑いましたが、天候にも恵まれ、楽しい修学旅行になりました。クラスの枠を超えと共に行動することで多くの仲間と絆を深めることができました。
3年生になる少し前にその時が突然訪れました。「緊急事態宣言により全国の学校が休校。部活動も禁止。」これから中学校最後の年が始まろうとしている時に、コロナ可禍により部活動だけでなく、学校にすら行けなくなってしまったのです。私は顧問の先生がおっしゃっていた「何事にも感謝の気持ちを忘れてはいけない」という言葉を思い出しました。当たり前のように学校で会っていた友達や先生。当たり前のように活動していた部活。このような学校生活も一つ一つは、本当は「当たり前」ではなく、私たちを大きく成長させてくれる大切な「宝物」であることに気づかされたのです。
私たち88名は様々な困難を乗り越え、今日無事に卒業式を迎えました。この3年間は瞬く間に過ぎていきました。しかしその背景にはたくさんの人が、私達を支えてくれていたことが今ならよくわかります。頼ってくれた後輩たち、今まで私たちのことを全力でサポートしてくださった先生方。どんな時でも私たちを一番近くで応援し、見守ってくれた家族。そしてなにより、3年間切磋琢磨し。苦しい時も嬉しい時も笑いあってきた友達。ここでは言い切れないほどの人に感謝を伝えたいです。これからは「何事にも感謝すること」を忘れないで、どんなときも「前向きにひたむきに」努力し続けていきたいです。
「今まで本当にありがとうございました。」
令和3年3月10日 卒業生代表 若菜 晴